甘辛問答無味感想  vol.1
甘辛問答無味感想  vol.1

桃太郎のきびだんご

2021.12.01

鬼退治に行くって、


かなり危険な旅ですよね。


それなのに、イヌ、サル、キジは


きびだんごをもらっただけで、


一緒に戦ってくれると言う。


いくら動物だからって、


あんまりに安すぎません?


子ども心にそう思っていました。


きびだんご、そんなにおいしいのか?


そんなに貴重だったのか?








調べてみました。


黍(きび)はイネ科の植物で、


秋になると黄色い実がなります。


それを蒸して、ついて、丸めたもの、


それがきびだんごです。


米よりも甘みがあるので


当時はそれなりに美味だったのでしょう。


でも、命を賭けるほど


貴重なものではないです。


黒澤明の映画「七人の侍」では、


浪人たちが農民のために、


命を賭けて野武士と戦います。


その報酬が


「白飯を腹いっぱい食わせる」でした。


これも割に合わない話ですね。








彼らは、サムライとしての


使命感に燃えていた、


あるいは


武士道を全うできる場所を探していた、


そんな解釈もできますが、


わたしの見方はちょっとちがいます。


同じ境遇の者、


つまり浪人同士が一緒に旅をして、


力を合わせて、何ごとかを成す。


その楽しさに惹かれたのではないかと。


つまり仲間が欲しかったのではないかと。


だって、この映画の魅力って、


気脈が通じ合うワクワク感ですから。







桃太郎のイヌ、サル、キジも、


同じ気持ちだったのではないでしょうか。


気の合いそうな仲間と


一緒に旅をしたかった。


そう思うと、


おだんご、だからよかったのだと


思えてきます。


きびだんごは報酬じゃない、


ただのきっかけ。


丸くて、柔らかくて、人(動物も)を和ませる。



だから、和のお菓子なのか?







旅に出にくい時代。


親しい人におだんごでも送って、


近況を伝えてみませんか?