ヘラの一投目で感じる
真似できない職人技。
至高の最中に見惚れる贅沢な時間。

和菓子屋の銘店といわれる青柳正家は、江戸時代から料亭街として栄えていた東京・向島に店を構えている。創業当時からつくられているという「菊最中」。ヘラの一投目のあんの重さを手に伝えながらつくる繊細な職人技は、他では真似できないといわれる。
和菓子屋の銘店といわれる青柳正家は、
江戸時代から料亭街として栄えていた
東京・向島に店を構えている。創業当
時からつくられているという「菊最中」。
ヘラの一投目のあんの重さを手に伝えながらつくる繊細な職人技は、他では真似できないといわれる。

菊の花輪をかたどった皮に、
収まりきらないほどのあんの厚み!創業当時まだ甘いものが貴重だった頃、目でも楽しんでもらいたいと、この特徴的な形になったそう。どれも同じようにつくられているが、「ひとつひとつに表情があり、子どものように思う」というのは三代目となる店主の須永さんの言葉。
菊の花輪をかたどった
皮に、収まりきらない
ほどのあんの厚み!
創業当時まだ甘いものが貴重だった頃、
目でも楽しんでもらいたいと、この特徴的な形になったそう。どれも同じようにつくられているが、「ひとつひとつに表情があり、子どものように思う」というのは三代目となる店主の須永さんの言葉。確かに、その佇まいには、それぞれの顔がある

確かに、その佇まいには、それぞれの顔があるような不思議な空気感がある(実は、ちゃんと正面がある!)。そして、フタを開けた時の菊の花の整列には思わず声がでてしまう。本当に上品なのだ!
ような不思議な空気感がある(実は、ちゃんと正面
がある!)。そして、フタを
開けた時の菊の花の
整列には思わず声
がでてしまう。
本当に上品なのだ!

素材には最高のものをと、北海道産の小豆を使う前に手よりされているというから驚き。
小豆のシワやハリを厳選するこの作業の違いで、煮えの時間の差が出て色が悪くなったり、かたい食感になったりと味も変化するそう。
素材には最高のものをと、北海道産の小豆を使う前に手よりされているというから驚き。
小豆のシワやハリを厳選するこの作業の違いで、煮えの時間の差が出て色が悪くなったり、かたい食感になったりと味も変化するそう。

お客様には見えない部分だからこそ、二重三重の手間をかけ、完璧を追求することで、自信をもっておすすめできるという。そんな自慢のあんは、美しい藤色に輝き、舌ざわりがやわらかく、なめらかな仕上がりに。かための香ばしい皮に挟まれ、パリッとした食感と、贅沢でたっぷりなあんを堪能できる。

青柳正家ならではの厳しい基準と技、
長い時間を共にされた職人さんたちの情熱によって生み出される和菓子の質の高さに、最高と言われる所以がある。

須永さんは「和菓子と良い時間を過ごしてほしい」という。家族や友人と甘いものを食べて過ごすしあわせな時間、相手を想いながらお茶を準備する時間でさえ、尊いしあわせな時間だと、あらためて教えていただいた。青柳正家の菊最中と合うのは、濃いめの煎茶や深蒸し茶だそう。一口食べて、一口お茶を味わう。贅沢でおいしい至福の時間を、大切な人と過ごしてほしい。
