職人の阿吽の呼吸でできる唯一無二の
繊細な飴菓子は、絹のように美しく光る。
職人の阿吽の呼吸でできる
唯一無二の繊細な飴菓子は、
絹のように美しく光る。

糸が折り重なったかのような線が光を受けて、金色の絹のように見える。その繊細で唯一無二と言っていい「あめせんべい」をつくる飴菓子の老舗がある。
糸が折り重なったかのような線が光を受けて、金色の絹のように見える。その繊細で唯一無二と言っていい「あめせんべい」をつくる飴菓子の老舗がある。

長野県松本市にある寛政8年(1796年)創業の「飯田屋飴店」さん。松本では飴の歴史は古く、毎年1月に「あめ市」があり多くの人で賑わう。「あめ市」の由来は「敵に塩を送る」の故事「義塩伝説」が起源の塩市といわれ、それがあめ市に変わり300年以上経った今も続く風物詩。明治期には市内にたくさんの飴屋が店を構え、生産量日本一だったこともあるとか。今ではわずかな軒数となったが、飯田屋飴店は200年以上の歴史と伝統ある飴菓子の老舗。
長野県松本市にある寛政8年(1796年)創業の「飯田屋飴店」さん。松本では飴の歴史は古く、毎年1月に「あめ市」があり多くの人で賑わう。「あめ市」の由来は「敵に塩を送る」の故事「義塩伝説」が起源の塩市といわれ、それがあめ市に変わり300年以上経った今も続く風物詩。明治期には市内にたくさんの飴屋が店を構え、生産量日本一だったこともあるとか。今ではわずかな軒数となったが、飯田屋飴店は200年以上の歴史と伝統ある飴菓子の老舗。

「あめせんべい」をはじめて聞いた人も多いのではないだろうか。空気を含んでできた飴は、繊細でとても割れやすい。でもその繊細さと軽やかさがこの飴の最大の魅力。パキパキと割りながらひと口を味わう。素朴でいて香ばしく、上品な黒糖の甘みと素材の良さを感じる。はたして一体どのようにつくるのか?まったく想像がつかない。
「あめせんべい」をはじめて聞いた人も多いのではないだろうか。空気を含んでできた飴は、繊細でとても割れやすい。でもその繊細さと軽やかさがこの飴の最大の魅力。パキパキと割りながらひと口を味わう。素朴でいて香ばしく、上品な黒糖の甘みと素材の良さを感じる。はたして一体どのようにつくるのか?まったく想像がつかない。

今回、製造工程を見せることはほとんどないという、9代目の伊藤さんの貴重な職人技を拝見することができた。
今回、製造工程を見せることはほとんどないという、9代目の伊藤さんの貴重な職人技を拝見することができた。

沖縄産の黒糖をはじめ、企業秘密という数種類の砂糖などを配合し、コクのある甘みに仕上がる素材を厳選している。それらをじっくりと煮詰めると甘い香りが作業場に広がる。
沖縄産の黒糖をはじめ、企業秘密という数種類の砂糖などを配合し、コクのある甘みに仕上がる素材を厳選している。それらをじっくりと煮詰めると甘い香りが作業場に広がる。

べっ甲色になった飴を冷ましながら、手早く何度も練り混ぜ、いい頃合いを見極める。気温や湿度が影響するため、季節によって飴との向き合い方も変わるという。
そして、ここからが時間との勝負。飴は冷めると手が傷ついてしまうほど、すぐに固くなってしまう。そのため職人二人の息のあった熟練の技が重要になってくる。
べっ甲色になった飴を冷ましながら、手早く何度も練り混ぜ、いい頃合いを見極める。気温や湿度が影響するため、季節によって飴との向き合い方も変わるという。
そして、ここからが時間との勝負。飴は冷めると手が傷ついてしまうほど、すぐに固くなってしまう。そのため職人二人の息のあった熟練の技が重要になってくる。

空気を含ませるために機械と手で織り混ぜる。空気を含んだ飴は、べっ甲色から一瞬で色を変えて輝きだす。ここからは職人二人の阿吽の呼吸で、さらに空気を含ませながら長く伸ばす。それはまるで生糸を織っているかのような美しい線を描く。
そして台の上で落ち着いた飴は一瞬で固まる。スピードが必要なことがよくわかる職人技を見られたことに感動する。
空気を含ませるために機械と手で織り混ぜる。空気を含んだ飴は、べっ甲色から一瞬で色を変えて輝きだす。ここからは職人二人の阿吽の呼吸で、さらに空気を含ませながら長く伸ばす。それはまるで生糸を織っているかのような美しい線を描く。
そして台の上で落ち着いた飴は一瞬で固まる。スピードが必要なことがよくわかる職人技を見られたことに感動する。

出来上がった飴は、たくさんの糸が折り重なったように波打つ線が光を受けて、絹のように金色に光り、なんとも幻想的。この工程を見れば、空気を含んでできた断面と、口ですっと溶ける軽やかな食感の理由がわかると思う。非常に繊細で割れやすいが、それもこの魅力と楽しんでもらいたい。
出来上がった飴は、たくさんの糸が折り重なったように波打つ線が光を受けて、絹のように金色に光り、なんとも幻想的。この工程を見れば、空気を含んでできた断面と、口ですっと溶ける軽やかな食感の理由がわかると思う。非常に繊細で割れやすいが、それもこの魅力と楽しんでもらいたい。

伊藤さんは、「あめせんべいは、毎日表情が違い、扱いづらいがおもしろい」と言う。私はこの繊細な飴がどのようにできるのかを知りたかったし、伝えることができて本当に嬉しい。甘いしあわせをじっくり噛み締めながらそう思った。
伊藤さんは、「あめせんべいは、毎日表情が違い、扱いづらいがおもしろい」と言う。私はこの繊細な飴がどのようにできるのかを知りたかったし、伝えることができて本当に嬉しい。甘いしあわせをじっくり噛み締めながらそう思った。
