吉野の山奥、清流が流れる村、
江戸末期創業の老舗和菓子屋、
気になりすぎる栗羊羹。

電車を降りて、バスに揺られ約40分。バスから旅ははじまっている。山道を抜けてたどり着いたのは奈良県東吉野村。ここで村にたったひとつという和菓子屋がある。西善の三代目西林さんがお一人でつくられる栗羊羹にどうしても出逢いたかった。

「杣づと」という名前の由来は、
「杣(そま)」は人の手が入った山のことをいい、
「づと」は包むという意味から「山からの贈り物」と込められている。
その名のとおり、山の自然を感じる場所にその和菓子屋はある。
「杣づと」という名前の由来は、
「杣(そま)」は人の手が入った山の
ことをいい、「づと」は包むという意
味から「山からの贈り物」と込められ
ている。その名のとおり、山の自然
を感じる場所にその和菓子屋はある。

詰め加減が難しい、と
泡や粘り加減を見極めるために手で鍋を
かき混ぜつづける。

川の音と鳥の鳴き声が聞こえる作業場とひとつひとつ作業をこなす西林さんの姿に、ただただ丁寧な時間をみた。手づくりのため1回につくられる量には限りがあるが、昔ながらのつくり方で、とにかくあんこがシンプルでおいしい。素材の味をそのまま味わえるような上品な甘さと、刻み栗の食感がお気に入り。

今は四代目となる息子さんが別店舗で朝生菓子などをつくられているそうだが、羊羹だけはここでつくりつづけているという。山深い自然に囲まれて湧く水だから、より丁寧な和菓子に仕上がるのかもしれない。
今は四代目となる息子さんが
別店舗で朝生菓子などを
つくられているそうだが、
羊羹だけはここでつくり
つづけているという。
山深い自然に囲まれて
湧く水だから、
より丁寧な和菓子に
仕上がるのかもしれない。

味はもちろん、
この職人さんがつくるからこそ、という
出逢いがある。はるばる足を運んででも
食べたいものがある。
