気軽に楽しむ松江のお茶文化。
お供の和菓子は不昧公お好みの「若草」がツウ。
気軽に楽しむ松江のお茶文化。
お供の和菓子は不昧公お好みの
「若草」がツウ。

全国的に珍しい「茶の湯条例」があり、日常的にお茶文化が根付く茶の湯の町、島根県松江。京都・金沢に続く3大和菓子処のひとつとも言われる。
全国的に珍しい「茶の湯条例」があり、日常的にお茶文化が根付く茶の湯の町、島根県松江。京都・金沢に続く3大和菓子処のひとつとも言われる。

江戸時代の松江藩7代目藩主・松平治郷は松江に茶の湯を広めた茶人として有名で、「不昧公(ふまいこう)」の名で親しまれている。不昧公が好んだという春の「若草」、秋の「山川」、「菜種の里」は松江を代表する和菓子。松江のお茶文化を知るきっかけに、まずは「若草」を選ぶことをおすすめしたい。
江戸時代の松江藩7代目藩主・松平治郷は松江に茶の湯を広めた茶人として有名で、「不昧公(ふまいこう)」の名で親しまれている。不昧公が好んだという春の「若草」、秋の「山川」、「菜種の里」は松江を代表する和菓子。松江のお茶文化を知るきっかけに、まずは「若草」を選ぶことをおすすめしたい。

「若草」は明治維新以降一度途絶えていたそうだが、明治7年(1874年)創業の彩雲堂さんの初代店主が、明治中頃に古人や茶人を訪ね復活させたという。以来、100年以上つくり続けている代表銘菓となっている。
「若草」は明治維新以降一度途絶えていたそうだが、明治7年(1874年)創業の彩雲堂さんの初代店主が、明治中頃に古人や茶人を訪ね復活させたという。以来、100年以上つくり続けている代表銘菓となっている。

奥出雲でつくられる仁多米のもち米を、石臼で水挽きして求肥の元をつくる。熱を極力加えずに細かくすることで、もち米の持つ香りが失われない。この製法は現在ではほとんど行われていないのではないかとのこと。
奥出雲でつくられる仁多米のもち米を、石臼で水挽きして求肥の元をつくる。熱を極力加えずに細かくすることで、もち米の持つ香りが失われない。この製法は現在ではほとんど行われていないのではないかとのこと。

奥出雲でつくられる仁多米のもち米を、石臼で水挽きして求肥の元をつくる。熱を極力加えずに細かくすることで、もち米の持つ香りが失われない。この製法は現在ではほとんど行われていないのではないかとのこと。
1日寝かせたもち粉を職人が銅鍋で練り炊き上げる。機械だけではできない温度・湿度や糖度の絶妙な調整は、やはり職人さんの腕。

程よい弾力に仕上がった求肥は3日ほど寝かせる。そうして時間をかけて出来上がった求肥は、モチモチとしてコシがあり、米の風味と甘みが楽しめ、このままでも食べたくなるおいしさなのだ。
程よい弾力に仕上がった求肥は3日ほど寝かせる。そうして時間をかけて出来上がった求肥は、モチモチとしてコシがあり、米の風味と甘みが楽しめ、このままでも食べたくなるおいしさなのだ。

切り分けられた求肥はひとつひとつが大きめでボリュームがある。最後に、砂糖・寒梅粉・口香粉を混ぜてつくる彩りが美しい若草色の衣を、職人さんが丁寧にまとわせて完成する。
切り分けられた求肥はひとつひとつが大きめでボリュームがある。最後に、砂糖・寒梅粉・口香粉を混ぜてつくる彩りが美しい若草色の衣を、職人さんが丁寧にまとわせて完成する。

春を感じる彩りに、ほどよいやわらかさの求肥とホロッとする細やかな衣の食感。口に広がる甘みは、まさにお茶請けに選んでほしい、ピッタリの組み合わせ。
春を感じる彩りに、ほどよいやわらかさの求肥とホロッとする細やかな衣の食感。口に広がる甘みは、まさにお茶請けに選んでほしい、ピッタリの組み合わせ。

彩雲堂さんには、職人歴45年以上という現代の名工をはじめ高い技術を持った和菓子職人が数多くいる。和菓子が続いていくために若手の職人へ伝統や技術を継承しているのだ。
彩雲堂さんには、職人歴45年以上という現代の名工をはじめ高い技術を持った和菓子職人が数多くいる。和菓子が続いていくために若手の職人へ伝統や技術を継承しているのだ。

また、子どもたちに和菓子のおいしさを伝えることも大切に考えられている。例えば、パンダがカワイイあんぱん饅頭。おいしいあんこを食べて和菓子好きになってほしいという思いから出来たのだとか。
また、子どもたちに和菓子のおいしさを伝えることも大切に考えられている。例えば、パンダがカワイイあんぱん饅頭。おいしいあんこを食べて和菓子好きになってほしいという思いから出来たのだとか。

彩雲堂さんはまもなく創業150周年を迎える。6代目社長の山口さんは、松江のお茶と和菓子文化を、敷居が高いものではなく、気軽に楽しめるよう後世に、また世界にも伝えていきたいという。
彩雲堂さんはまもなく創業150周年を迎える。6代目社長の山口さんは、松江のお茶と和菓子文化を、敷居が高いものではなく、気軽に楽しめるよう後世に、また世界にも伝えていきたいという。

茶の湯が世界を平和にする、そのためには小さなことでも続けていくことが大事であると山口さんは語ってくれた。おいしいものは人を幸せにする、本当にそうだ。私たちも気軽にはじめたい、まずは一杯のお茶と和菓子から。
茶の湯が世界を平和にする、そのためには小さなことでも続けていくことが大事であると山口さんは語ってくれた。おいしいものは人を幸せにする、本当にそうだ。私たちも気軽にはじめたい、まずは一杯のお茶と和菓子から。
