立ち返りたい懐かしい味が、必要な時もある。
京のおせん処に、おこしやす。
立ち返りたい懐かしい味が
必要な時もある。
京のおせん処に、おこしやす。

江戸時代から続く京都を代表するおせんべい屋「京のおせん処 田丸弥(たまるや)」。京都の丹波で旅籠として創業し、その頃より旅人にお菓子でおもてなしをしていたという。その後京都に移り、本店を構える大徳寺の旧境内地で、京せんべいを製造・販売している。
江戸時代から続く京都を代表するおせんべい屋「京のおせん処 田丸弥(たまるや)」。京都の丹波で旅籠として創業し、その頃より旅人にお菓子でおもてなしをしていたという。その後京都に移り、本店を構える大徳寺の旧境内地で、京せんべいを製造・販売している。

閑静な住宅地の一角にある京都ならではの町家造りの店舗は、今では珍しい「見世の間」の仕様で、たくさんの商品が畳の上に並んでいる。初めて訪れたのに懐かしさを覚える落ち着いた風情。それだけでも、行く価値がある。
閑静な住宅地の一角にある京都ならではの町家造りの店舗は、今では珍しい「見世の間」の仕様で、たくさんの商品が畳の上に並んでいる。初めて訪れたのに懐かしさを覚える落ち着いた風情。それだけでも、行く価値がある。

お店の代表銘菓「白川路」をはじめとするおせんべいの数々。昔から伝わる技法を今に活かしながら、職人さんの手づくりで続いている。
お店の代表銘菓「白川路」をはじめとするおせんべいの数々。昔から伝わる技法を今に活かしながら、職人さんの手づくりで続いている。

17代目の吉田達生さんは「生地の声を聞きながら練る」と話す。それは機械では出来ない繊細な作業。厳選した素材を練り、焼き上げる。気温・湿度で変わる微妙なさじ加減は、手でつくるからこそわかる特別な技術だ。一度につくる量には限りがあるが、変わらないおいしさを守るため。「古い良いものを残しながら新しいものも取り入れて、おいしいものを食べてもらいたい。」というのが17代目・18代目の想いだ。 今回はお店で人気のある4種の詰合せをご紹介したい。
17代目の吉田達生さんは「生地の声を聞きながら練る」と話す。それは機械では出来ない繊細な作業。厳選した素材を練り、焼き上げる。気温・湿度で変わる微妙なさじ加減は、手でつくるからこそわかる特別な技術だ。一度につくる量には限りがあるが、変わらないおいしさを守るため。「古い良いものを残しながら新しいものも取り入れて、おいしいものを食べてもらいたい。」というのが17代目・18代目の想いだ。 今回はお店で人気のある4種の詰合せをご紹介したい。

金胡麻・黒胡麻を練り込み軽く焼き上げた薄焼きせんべい。パリッとした軽い食感から感じるのは、贅沢な胡麻の香ばしい風味。素朴でありながら品がある上質な仕上がり。
金胡麻・黒胡麻を練り込み軽く焼き上げた薄焼きせんべい。パリッとした軽い食感から感じるのは、贅沢な胡麻の香ばしい風味。素朴でありながら品がある上質な仕上がり。

落花生がたっぷり入った玉子せんべい。生地と落花生が口の中で同時に無くなるような絶妙な配合が店主のこだわり。
落花生がたっぷり入った玉子せんべい。生地と落花生が口の中で同時に無くなるような絶妙な配合が店主のこだわり。

家伝の納豆味噌と京の白みそを合わせた秘伝の味。膨張剤を使わず卵の力と練り加減だけで浮かせる職人技のおせんべい。
家伝の納豆味噌と京の白みそを合わせた秘伝の味。膨張剤を使わず卵の力と練り加減だけで浮かせる職人技のおせんべい。

仏様へのお供えを意味する「花供御(はなくご)」に由来し、真如堂の涅槃会の法要に授与される菓子として尊ばれている。
仏様へのお供えを意味する「花供御(はなくご)」に由来し、真如堂の涅槃会の法要に授与される菓子として尊ばれている。


個人的な話だが、田丸弥さんのおせんべいが子どもの頃食べていた味だと気づいた。「好きだったおせんべいだ!」お店の名前を知らずとも味を覚えていたことに自分でも驚いた。何十年も経った後にもおいしかったことは記憶に残る。変わらないおいしさをつくり続けるお店があることに改めて気持ちが暖かくなった。忙しい日常から、ふと立ち返りたい懐かしい味が必要な時もある。その場所がここかもしれない。
個人的な話だが、田丸弥さんのおせんべいが子どもの頃食べていた味だと気づいた。「好きだったおせんべいだ!」お店の名前を知らずとも味を覚えていたことに自分でも驚いた。何十年も経った後にもおいしかったことは記憶に残る。変わらないおいしさをつくり続けるお店があることに改めて気持ちが暖かくなった。忙しい日常から、ふと立ち返りたい懐かしい味が必要な時もある。その場所がここかもしれない。
